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 お客様から良くある質問で、どうして近年は女性の添乗員が多いのかという質問を受ける。理由は主に2つあると思う。1つは女性の方が就職するまでに海外旅行に行くことが多いからである。これは経済状況にも関連しているようだ。例えば、20代前半までの海外渡航者数は女性の方が圧倒的に多いのに対し、25歳以上から50代の前半までは男性の方が渡航率が高くなる。女性の場合、学生時代に自分で貯金をしたり、親の援助などで海外旅行を若い頃から体験するのに対して、男性は親の援助があっても車を買ったり自分のお金をデート代などで使ってしまうからだろうか、お金がないからと就職して社員旅行や出張で海外に初めて出るケースが多い。最近では死語になっている成田離婚も、国内のデートでは頼りになる彼が新婚旅行で一緒に海外旅行に出ると時には、海外旅行経験のない彼に対し、何度も海外旅行に出ている彼女には彼の行動がぎこちなく頼りなく映ってしまい、成田空港に戻る前には、せっかく始まったばかりの二人の結婚に終止符を打ってしまったために起こったようだ。

 海外旅行は麻薬のようだと、ツアーのお客様の話しているのを度々耳にする。1回目で懲りてしまう人もいるが、何度か繰り返すと適度な緊張感と自分の日常生活では出会えない多くの出来事に喜びを感じるようになると、金銭的な問題がない限り繰り返し海外に出るようになるケースが多い。学生時代に海外に出た女性が語学を憶え、その経験を生かし、更に無料で海外旅行に行ける添乗員になるのも自然なことだ。

 添乗員に女性の方が多い2つ目の理由は、給料体系に関係がある。華やかに思われがちな添乗員の平均的な日当は、¥9,000−〜¥10,000−前後である。ほとんどの添乗員は添乗員派遣会社の面接を受けてから、日本添乗員協会の試験を受け、合格後ベテラン添乗員にアシスタントとして同行するか、もしくは添乗員研修旅行に参加してから添乗に出ることが出来るようになる。(必ずしも守られてはいないが)
 なり手の多い添乗員は今は使い捨てに近い状態で、旅行会社のツアーに派遣されても評価が悪ければなかなか仕事が増えない。また、添乗は日当制で仕事に出ない限り給与を得ることが出来ない。私の知っている人の中では、添乗が好きで続けているがお客様の評価がえれず、3年以上添乗に出ているにもかかわらず、週末の国内添乗くらいしか回って来ないため、生活費は他の日の日雇いアルバイトで生活費を稼ぎながら添乗員を続けている人もいる。
 今から40〜30年前の添乗員さんたちに話を聞くと、3年も真剣に添乗すれば、一戸建てやマンションが買えるほどの高給だったようだ。その頃はお土産屋からのコミッションは、ほとんどが添乗員のものになったし、海外旅行慣れしていないお客様ばかりで、そのかなりの人がお土産をどっさりと買ったので、なり手の少なかった頃の添乗員は金銭的にはいいしごとだった。現在、ツアーでお土産屋に連れて行くが、旅行会社の指定した店で、コミッションは添乗員には戻ってこないのが大半である。現在の給与体系では、家族を養うことはよほど人気や実力がない限りは難しい現状にある。
 以上の理由から、海外渡航経験豊富な女性が結婚するまで、もしくは結婚した後のアルバイトとして添乗員を志願するケースが多く、男性のなり手が少ないのが現状だ。
 
 添乗員募集の面接官をすると、来る人のほとんどが「旅行が好きだから。」と答えるが、添乗員にとってもちろん旅行が好きなのは良いことだし、好きだから勉強もする。しかし、最も重要なのは「接客業が好きどうかである。」と私は思う。添乗員免許の基本の中に、業務は夜の8時までと表記されている。この為、その決まりのまま8時を過ぎると一人で遊びに行ってしまう添乗員が多い。しかし、ほとんどの病院がしまっている時間帯に病人が出た場合、お客様は高い料金を払って添乗員付きツアーに参加したのにもかかわらず、一番重要なときに・必要なときに一番頼りになるべき人が連絡が取れないのだから問題である。一部のお客様達と散歩に行ったり、食事に行ったりする場合でもみんなに声をかけ、行かない方がいる時はいつ頃戻る予定かを告げるべきである。うまく行っている時は良いが、もし添乗員が重要なところで活躍しなければ、人気もそうだが不満や文句が出るようになり、そのあげくは「便乗員」などとニックネームをつけられアンケートにも大量のクレームが上げられてしまう。そうなれば、旅行会社も「あの添乗員は二度と派遣するな」と派遣会社に苦情が回り、最終的に出れる旅行会社がなくなってしまうのだ。この理由で添乗員を辞めて行く者がたくさいるのも事実である。

 給料の割には大変な仕事だが、いろいろなお客様に出会え海外に行ける面白い仕事には間違いない。是非、これから添乗員になろうとする人には上記のことを踏まえてから結論を出すことをお勧めする。


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